市長近況短信 No.20  (8月中旬号)

《石川さんから送られてきた本》

 机の上に置かれた分厚い封書。手に取ってみて「ん…本かな?」
そんな気持ちで開封。案の定、出てきたのは、南国の夜空のような
色をした本『コロニアの月』と題された句集でした。添えられてい
た手紙を拝読することしばし…「あぁ〜無事に帰って来られたんだ
なぁ、ご苦労さまでした。」と思わずつぶやいていました。
 二年前の六月、一通の葉書をいただきました。
「人生の節目(定
年)を迎え、自分のこれからを考えたとき、まだまだ体力も気力も
ある今、シニアボランティアとして南米ボリビアへ行きます。」

追記に、
「この葉書を手にされた頃には既に出立しています。」
記してありました。
 強い意志を持ってキャリアウーマンとして働き、自分の持つ技術
や知識をなお、外国で働く日本人のために役立てようと、JICA
からの派遣でボリビアの沖縄移住地へ保健師として行かれたのです。
その日から二年が経ちました。

 句集の中に【メールだめ 電話も不調 ボリビアよ】

 ボリビアと言えば、キューバのカストロ議長の朋友チェ・ゲバラ
を思い出す世代ですが、南米の地図で迷わずボリビアを指させる自
信はありません。
 先日も南米ドミニカ移住に関する裁判が決着し、政府は調査不十
分なのに移住をさせ、移住した人々は苦難の道を歩むこと56年。
見舞金の和解は成立したが…。戦前戦後に大勢の日本人が新天地を
求め中南米へ渡り、汗と涙の歴史を刻んできたのです。

 【移住地(コロニア)の 豊年祭 冬花火】

 こんな句に、かの地での心の交わりを見る思いです。とにかく無
事に帰国され、そして句集にまとめられたボリビアでの活動を目に
し、衷心より敬意を表します。




  「句集・コロニアの月」の表紙
 2007年問題は1947年生まれの団塊世代第一陣が定年を迎え、日本の高度経済成長と共に歩み、多くの技術を
蓄積している世代の貴重な「術」が失われるかもしれない大問題を含んでいます。
 少し先輩の南米に行くという行動があり、地域の中でボランティアを始める人もあり、まだまだ働く人、農業に方向
を転換する人あり、実に多彩な道があります。
 その一方、行き道探しの第一歩目を踏み出せず、躊躇、戸惑う方も多くいるのでは?ぜひ、勇気を持って一歩を踏み
出して欲しい。その勇気が集まって街の活気を創り出し「団塊世代ここにあり」ということになるのではないでしょう
か。前述のボリビアに渡った石川さんの勇気と元気に見習うものはたくさんありそうです。