市長近況短信 No80  (4月下旬号)
 《山を街を愛する人たち》

 「第14回 八重桜の里まつりにお出掛けいただき、ありがとう
ございます。」こんな岡部会長の挨拶から始まった頭高山を愛する
会主催のまつり。平成6年に産声をあげたこのまつりは、行政が始
めたものではありません。頭高山を愛し、子どもの頃から自分たち
の庭のように、この里山を駆け回ってきた方々が、ここを市民の憩
いの地、ハイカーたちが安心して歩けるコースにしたいと自主的に
始めた活動なのです。もう14年も経ち、ライオンズクラブやロー
タリークラブの協力を得て、八重桜を植え育ててきたのが、千村の
八重桜と呼応して素晴らしい里山に生まれ変わりつつあります。
 しかし山は、手入れを怠るとその結果は即座に現れます。木々の
枝は覆い繁り、草は伸び放題、陽が当たらないために薄暗い山道に
なってしまいます。まず、明るいハイキングコース作りには、やは
り行政の力も必要です。昨年の現地踏査をふまえて、手を入れ過ぎ
ない程度に、自然を守り育てるお手伝いをいたしました。ハイキン
グコースですから、軽自動車がやっと通れるくらいの道幅、当然ア
スファルト舗装は無粋なもの、土を踏みしめながら歩く道です。
日だまりに設けた休憩所には、屋根(あづまや)をつけてベンチを
置きました。初日の出の素晴らしいことや、天気の良い日には、横
浜のランドマークタワーが見えると聞いて、びっくり。頭高山を愛
する会の皆さんの地道な活動には脱帽です。

  同じようなことが、市内各所で展開されています。先日も弘法山
の桜まつりへ行った時にも、「弘法山をきれいにする会の紹介」と
いうA4版の印刷物を手渡されました。市の公園里親制度に加入す
る際につけられた愛称で、現在会員数56名の仲良しグループだと
か。とてもユニークなのは「当会は、会名以外は何も無い。会則も
会費徴収も無し、会の代表は市役所との連絡係で役員も無し、清掃
区域が個々に決まっているわけでもありません」ということです。
 そんな無い無いづくしの会でも、弘法山が好きで好きで集まって
くる人たちで構成されている会であるとのこと。もっともっと色々
なことが書いてあるのですが、紙面の都合があるので…。
 弘法山といい、頭高山といい、行政から「やってくれ」と依頼さ
れて活動しているのではなく、「好きだから、この山を愛している
からやりたいんだ」と自発的に活動を始められたものです。

 こういった活動は、この2つの団体のみならず、市内に様々な形
で存在しています。我が家の前の公園を毎日清掃している方、水無
川緑地に花を植え、懸命に育てる里親さんたちもいます。
「やってくれ」ではなくて「やりたい」として行動をすることの心
根には、天地の差があり、その活動の息の長さにも表れてくるので
はないでしょうか。広く言えば、郷土を愛する心が、この緑豊かな
我が街を支え、盆地という地形を活かした美しい街づくりに寄与し
ているのです。私が常々提唱している「都会に近い、良い意味での
田舎」「次世代へ引き継ぐ誇れる街づくり」も、根底に流れる思い
は同じ、秦野が好きだから、郷土を愛しているからなのです。皆さ
んの自主的な活動に触れるたびに、嬉しさが込み上げてきます。




頭高山・山頂のあずまや


頭高山・山頂にて山の幸と共に


弘法山馬車道とチップの敷かれた女坂

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